美女ごはん・上 | 旭川皮フ形成外科クリニック旭川皮フ形成外科クリニック

HISAKOの美容通信2009年11月号

美女ごはん~水溶性ビタミン&ビタミンもどき編

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サプリメント外来は、採血や採尿等の検査に基づいて、不足している栄養素を同定し、処方するものです。
でも、サプリメントだけをのんでりゃそれだけで十分かと申しますと、そんな訳もなく、食事があってこそのサプリメント。栄養補助に過ぎません。
食事が根幹をなす基軸なのです。

 栄養療法を行なう際には、サプリメントや点滴療法を多用します。が、難点は、食生活のツケの全てを一生サプリメントで補い続けるなんて事は、実際問題としては不可能。ごはん力を如何に身に付けるかが、栄養療法の基本中の基本です。
     しかしながら、HISAKOもそうなんですが、義務教育時代、家庭科できっと、”鉄が少ないとシミの分解も出来ないので、幾ら高い美白の化粧品を使っても効果が無いの。鏡をみてヤバイと思ったら、レバーや肉、魚、大豆、緑黄色野菜、海草を、いつも以上に食べて。一緒にビタミンCも摂ると、効率が良いわ”等々と習ったんでしょうが‥、全く忘却の彼方。”そもそも、家庭科でそんな事習ったっけ?”って、授業を上の空でしか聞いてなかった少女時代を棚に置き、不謹慎な事まで考えてしまったり(笑)。‥家庭科の先生、ゴメンナサイ!
     てな訳で、今月号は、家庭科の授業を忘れてしまった不届きな輩(?)に捧ぐ「美女ごはん~水溶性ビタミンとビタミンもどき編」です。辞典的に使用して頂く目的で、栄養素と食べ物の種類を列挙しただけ!?に等しいけど、取り敢えずは、押えておかなきゃね。

ビタミンとは、生命活動に必要不可欠な微量栄養素だ!

 ビタミンは、3大栄養素(蛋白質・脂質・炭水化物)の様に、エネルギー源となったり、はたまた体の構成要員として、その存在を面と向かって激しく主張するものではありません。寧ろ、要所要所で、フィクサー的な関わり方を仕掛けて来ます。

*註:フィクサー(出典・フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)

 フィクサー( fixer)は、例えば、物事を決定する際に、通常は関係する人間や団体の意向(広くは世論)を踏まえた上で事を進めて行くが、そこへ恣意的に内容や順序を変更したり新たな条件を発生させる等の、介入する手段を持っている人物を指す。往々にしてその手段は公正でない場合がある。理想と現実の間で複雑化する人間関係や利害関係を円滑にすすめる役割を果たす場合もある。
 労働組合や無産政党の活発な「政治の季節」に存在したが、膨大な流動資金が世界の状況を一日で変化させる1980年代以降の市場原理主義では存在せず、自ら呼称するとしても、限定された範囲で金融市場の旗振り役や調停人の役割を果たすだけの、客観的に卑小な存在である。

 フィクサーの様な、まあ、謂わば一種の潤滑油的な働きの他にも、血管や粘膜、皮膚、骨etc.の健康を保ち、新陳代謝を促してくれるので、詳しくは後述しますが、正統派・美人の素としてもビタミンは大活躍してくれます。
 これらの、私達に必須な要素としてのビタミンには、水溶性のビタミンが9種類、脂溶性のものが4種類と、合計13種類あります。最近の注目は、2003年に発見されたピロロキノリンキノンが、14番目のビタミンとして認定がされるかどうかって点。野菜や豆類、果実等に多く含まれる栄養素なんですが、未だに謎は多し!

水溶性ビタミン

 水に溶け易く、油には溶け難い性質を持つが故に、そのまんま過ぎる名前を頂いたのが水溶性ビタミン。多く摂り過ぎてもオシッコになって流れ出ちゃうだけなので、勿体無いとさえ思わなければ、足りないよりましと納得して大量に摂ってもらうのがHISAKO流。毎食毎に、否、お八つも入れた5食毎に、チマチマ補充して欲しいのが本音かな。
 構成要員は、以下に述べるビタミンCとビタミンB群しかいないんですが、ビタミンB群は、スタンドプレーに走りがちなビタミンCとは異なり、補酵素として働くのが最大の特徴。Mg等と同様、生体内の酵素反応を助けてくれる内助の功型のビタミンなのです。

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水溶性ビタミン~ビタミンB群

 ビタミンB群は、単独で働くと言うより、チームプレイを重んじる複合軍団。それ故に、摂取も単独より複合的にがお約束。

ビタミンB1(チアミン)

生理作用

 体内で糖質がエネルギーに変わるのに必要な補酵素が故に、ごはんの国の住人にはなくてはならないごはんの友。摂取エネルギーの約半分を、多分ごはん‥ひょっとするとお菓子か、果物か、或いは酒なのかも知れません(笑)が、糖質から得ているだけに、ビタミンB1が不足すると、糖質の代謝が滞り、その結果、乳酸やビリルビン酸etc.の疲労物質が蓄積!! これが、疲労や筋肉痛へと発展する為、野球選手の様なスポーツを生業とする職業人は、所謂”ニンニク注射”で、即行改善を図る次第。まあ、注射するとニンニクっぽい臭いが立ち込め、且つ元気モリモリ♪になる為、あたかもニンニクを食した状況に類似している事からのグッド・ネーミングなんですね。唯、HISAKOのクリニックを初め、巷で一般的に行なわれているニンニク注射は、ビタミンB1を主体としているだけで、群れたがるビタミンB1の性質上、単独での使用は少なく、カクテル系が殆どかな。俄かアスリートとか、健康志向の運動依存症のド素人(プロとアマの最大の違いは、きちんと栄養管理が出来るかどうかだと思う)、スィーツ・マニア、酒浸りの生活者等の中には、隠れビタミンB1欠乏症が可なり存在しているとかで、ニンニク注射予備人口は実は多いのであります。
 その他、ビタミンB1には、神経の機能を円滑にしてくれる潤滑油的な作用があります。

不足

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 脚気(腱反射消失)。別名、江戸患い。江戸時代の末期より、江戸詰めの若い藩士に流行した為に、こう呼ばれていたんだそうな。

ビタミンB1を多く含む食品(1食当りの目安量)

     豚肉、お魚、種実類、胚芽付きの穀物に多く含まれます。
          [肉] 豚ヒレ肉(80g) 0.78mg
              豚モモ肉(80g) 0.72mg
              豚ロース肉(80g) 0.55mg
              ボンレスハム2枚(40g) 0.36mg
          [魚] うなぎの蒲焼1串(100g) 0.75mg
          [豆・豆製品] 大豆(乾燥)(30g) 0.25mg
                   絹ごし豆腐1/2丁(150g) 0.15mg
          [穀物] 玄米ご飯1杯(150g) 0.24mg
               そば(生)1玉(130g) 0.19mg
               小麦胚芽10g 0.18mg

吸収率をUPさせる達人の技

 主食は、玄米や胚芽米、全粒粉パンetc.の胚芽付き♪をセレクト。誰ですか、<モサモサして嫌い!>なんて、まるでお子ちゃまみたいな事をほざいているのは? 穀物の胚芽はビタミンB1の宝庫。それ故に、精製度を上げれば上げる程、ビタミンB1は損なわれてしまいます。例えば、7分づき米なら玄米の59%のビタミンB1しか含有されていないし、精白米なら20%と激減! 小麦粉だって例外ではなく、全粒粉の29%(強力粉の場合)しか残ってないんです。それに、水溶性ビタミンの悲しい性ではありますが、洗えばそれだけ下水道に流れる‥。しかし、洗わない訳には行かない‥。
     水溶性ってだけに、お水に溶け易いのが特徴で、加熱すると更に一層溶け出しちゃう。それ故に、おかずは煮汁ごと食べるのがお約束。達人目指すなら、ニンニクの香り成分であるアリシンと一緒に摂ると、利用効率がUP。

補足

 私達・大和撫子&日本男児は、ビタミンB1の約半分を穀物から摂取しています。前述の通り、料理による損失が多いが故に、食品成分表の値を鵜呑みにせず、3分の2から半分程度は差っ引いて評価する必要があるのはご愛嬌。唯、生の貝類、甲殻類、鯉には、アノイリナーゼ(B1分解酵素)が含まれているので、これらを食べる時には、いつも以上に玄米ご飯をお代わりするか、単独で一先ず食し、時間差で全粉瘤パンを齧るかは、個人の見解の差によるかもしれない‥。

ビタミンB2(リボフラビン)

生理作用

 成長(Growth)因子から、ビタミンGとも嘗て呼ばれていたB2は、成長を促進したり、皮膚や髪の毛、爪等の細胞の再生に関与する、皮膚科領域の救世主的な存在。それ故に不足すると、口角炎や口内炎、皮膚炎、激しい痒み、ニキビやフケ、髪の毛のトラブルetc.と、兎に角、皮膚や粘膜系に泣かされる羽目に陥る。
 更に、グルタチオン・ペルオキシダーゼと言う酵素連中と徒党を組んで、有害な過酸化脂質を分解! つまり、ビタミンEが過酸化脂質の生成を抑える、謂わば水際で戦う自衛隊であるのに対し、ビタミンB2は出来てしまった過酸化脂質を撲殺する、まあ、前線を突破して侵入して来た北朝鮮軍と本土決戦で戦う町内会の自衛団って位置付けでしょうかねえ(笑)。兎に角、加齢と戦う私達アンチエイジング族の、心強い支えなのであります。
 勿論、3大栄養素(脂質・糖質・蛋白質)を分解してエネルギーに変える反応を、補酵素としてサポートするってビタミンB2の本業も忘れてはいけません。エネルギー消費量が多いほど、ビタミンB2の必要量も増えるので、前述のニンニク注射には一緒にカクテルされる事が多いですね。

不足

 意外な落とし穴が、併用するお薬。例えば、多量の抗生物質や精神安定剤、ステロイド、ピルetc.を長期間飲み続けていると、じわ~んと、しかしながら気付くとギョエッとビタミンB2を消耗し、欠乏状態に陥っている人も多いとか。

ビタミンB2を多く含む食品(1食当りの目安量)

 レバー、肉、魚介、牛乳・乳製品、卵等の動物性食品に多く含まれています。植物性食品では、納豆には豊富に、緑黄色野菜やキノコ類にはまあそこそこレベルではありますが、含まれています。
          [肉] 豚レバー(50g) 1.80mg
              牛レバー(50g) 1.50mg
              鶏レバー(50g) 0.90mg
          [魚介] うなぎの蒲焼1串(100g) 0.74mg
               マコガレイ1切れ(100g) 0.36mg
               ズワイガニ(50g) 0.30mg
               サバ1切れ(100g) 0.28mg
               サンマ1尾(150g)(廃棄込み重量) 0.27mg
          [その他] 普通牛乳1カップ(210g) 0.32mg
                 納豆小1パック(50g) 0.28mg

吸収率をUPさせる達人の技

 調理損失がどちらかと言うと少なく、そのまんま食べれる食品も多いので、バランスさえ気を付けれれば、攻略は然程難しくはないとされてはいる。‥が、達人技を強いて言うならば、光に不安定で、例えば、注目すべきは牛乳の容器。元々ビタミンB2は、牛乳から発見された事から「ラクトフラビン」って別名もある位、牛乳や乳製品に多く、牛乳1杯で所要量の4分の1を摂取出来るとされていますが、これは紙パックでのお話。お日様の恵を容器で体感出来る瓶入り牛乳では、2時間で85%が分解され、ビタミン活性を失ってしまっているのです。それ故に、如何に瓶入り牛乳が美味しそうに見えようと、外見に惑わされず、中身で勝負。紙パックに手を伸ばそう。‥あ、これは吸収率をupさせる方法ではなくて、下げない方法だった。ははは。

ナイアシン(ニコチン酸&ニコチン酸アミド)

生理作用

 糖質・脂質・蛋白質からエネルギーを産生する過程で、補酵素として暗躍します。更に、HISAKOの様な呑ん兵には必須のビタミンで、二日酔いの原因となるアセトアルデヒドを分解する際にも、活躍するんです。愛飲家の皆様、酒の肴は、ツマミではなくて主役。大事ですぞ!

不足

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 因みに、人間様の体内でも、必須アミノ酸の一つでもあるトリプトファンから合成が可能です。トリプトファン60mgからナイアシン1mgが作られるんですが、如何せん、とうもろこしにはトリプトファンが少ない。それ故に、嘗てのヨーロッパやアメリカのとうもろこし主食地帯は、他の食い物なんか満足に口にする余裕すらない貧乏人の集まりでしたから、ナイアシンの欠乏でぺラグラって病気が蔓延しました。”荒れた皮膚”って、ペラグラの語源が示す通り、皮膚炎や下痢に人々は悩まされ、高じると憂鬱、頭痛etc.の神経障害まで来たしていたんだそうな。怖い、怖い。

ナイアシンを多く含む食品(1食当りの目安量)

     お魚、お肉に、レバーに種実‥。動物性から植物性まで、多くの食品に幅広く含まれます。
          [魚介] タラコ1/2腹(40g) 19.8mg
                カツオ(100g) 19.0mg
                ムロアジ(80g) 12.2mg
                マグロ(80g) 11.4mg
                カジキ(80g) 8.3mg
                サバ(80g) 8.3mg
          [肉] 豚レバー(50g) 7.0mg
              牛レバー(50g) 6.8mg
              豚ロース肉(80g) 6.4mg
          [その他] 落花生(30g) 5.1mg

吸収率をUPさせる達人の技

 お魚やお肉は、ナイアシンの合成材料であるトリプトファンも多いので、一石二鳥! 熱にも強いから、料理方法も材料も選ばない。つまり、誰もが労せずに、達人の域に達せる稀有なビタミンです。

補足

 ニコチン酸と言うと、煙草を吸うとナイアシンが摂取出来るのか!?と糠喜びする愛煙家がいるかも知れませんが、単に他人の空似。ニコチンに化学構造が似ていたから、ニコチン酸って名前が付いただけの話です。
 噂ですが、私達・人間様の寿命延長に関与しているのでは?と、盛んに研究されているらしい。乞う、ご期待!

ビタミンB6(ピリドキシン・ピリドキサール・ピリドキサミン)

生理作用

 上手いマグロを喰って、それが分解・再合成されて、松田翔太様のような細マッチョの筋肉に昇華されるのも、一重に陰で暗躍する補酵素があってこそ。美しいお肌も、髪の毛も、歯etc.も、全て、ビタミンB6のお陰なのです。つまり、B6無くしては、如何に蛋白質を摂取しようとも、身にならない。200911image525<松尾スズキpresents美しい男性!>にはなれないんですねぇ、ははは。

 更に、更に、脂肪の代謝もサポートし、肝臓に脂肪がどんどん溜まるのにブレーキを掛けてくれるので、フォアグラ化を阻止してくれるんです。
それ故に、酒飲みこそ、ビタミンB6を肴にして欲しいかな。 他にも、セロトニン、ドーパミン、アドレナリン、α-アミノ酪酸(キャバじゃなくて、ギャバ! 昔ギャバ入りチョコって話題になったけど、今も売ってるのかなぁ‥)etc.と、神経伝達物質界の大御所連中の合成にも関わる大事なビタミンなのであります。

不足

 兎に角、不足すれば、湿疹・皮膚炎だとか、脂漏性皮膚炎だとか、ニキビだとか‥、皮膚科のお世話にならざる得ない羽目になる。それ故に、”猫いらず”じゃなくて、”皮膚科いらず”との別名もある!?
 妊婦やピルの常用者は、ホルモンの関係で欠乏し易くなるので、要注意!

ビタミンB6を多く含む食品(1食当りの目安量)

     お魚やお肉、卵、牛乳、野菜、大豆等に多く含まれます。
          [魚] カツオ1切れ(100g) 0.76mg
              マグロ1切れ(80g) 0.68mg
              サケ1切れ(80g) 0.51mg
              サンマ1尾(100g) 0.51mg
              サバ1切れ(80g) 0.41mg
          [肉] 牛レバー(50g) 0.45mg
              鶏レバー(50g) 0.33mg
              鶏ささ身(50g) 0.30mg
          [その他] バナナ1本(100g) 0.38mg
                 サツマイモ(100g) 0.28mg

吸収率をUPさせる達人の技

 豆類や穀物、野菜、果物等にも含まれてはいますが、植物性の食い物に含まれるビタミンB6は、何故か知らんが性根が座っていない(笑)。それ故に、体内での利用率が低く抑えられちゃうので、動物性で攻めるのがポイント。でも、冷凍保存や加工食品になると、幾ら動物性とは言え、目減りはするのは如何ともし難い。サバンナのライオンの様に新鮮なトムソンガゼルを、北海道のヒグマの様に新鮮な鮭を、屠りましょうね。

補足

 生理前のイライラや腰痛、頭痛etc,の不定愁訴やつわり等の、女の子特有の症状の改善にも、さり気なく良いんだそうな。

葉酸(プテロイルグルタミン酸)

生理作用

 ビタミンB12と共同戦線を組み、新しい赤血球を世に送り出す、”造血のビタミン”として有名。
 蛋白質や細胞の新生に必要な核酸(DNAやRNA)を合成する為に重要! それ故に、ママたまには、重要過ぎるビタミンとさえ言われていて、アメリカやイギリスでは、ママたま予備軍(妊娠の1ヶ月以上前から)は400μg(0.4mg)を、ママたまならその倍の量を摂取するようにと勧告しています。それだけで、神経管閉鎖障害って、赤ん坊の先天異常が防げるんなら、摂らなきゃ損、損。

不足・過剰

 馬鹿みたいに葉酸を摂り過ぎると、亜鉛の吸収が悪くなるが、それ以外は特に多過ぎたからって困る事はない‥。が、反対に欠乏が続くと、口内炎や肌荒れ、疲れ易い等と、冴えない女になる。

葉酸を多く含む食品(1食当りの目安量)

 その名の通り、緑黄色野菜に多く含まれているビタミンですが、他にもレバー、肉、果物、豆類等にも含まれてま~す。
          [野菜] 菜の花1/2束(100g) 340μg
               なばな(洋種)1/2(100g) 240μg
               ホウレン草小1/2束(100g) 210μg
               枝豆さや付き(80g)(廃棄込み重量) 141μg
               モロヘイヤ1/2袋(50g) 125μg
               ブロッコリー1/2株(50g) 105μg
               芽キャベツ5個(40g) 96μg
               春菊1/4束(50g) 95μg
          [その他] 牛レバー(50g) 500μg
                 ヒヨコ豆(乾燥)1食分(30g) 105μg

吸収率をUPさせる達人の技

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 葉酸はと~っても光に弱いヴァンパイア体質(笑)なので、如何に新鮮なお野菜であろうとも、お日様の光に晒しておくと、3日もすれば、70%の葉酸が分解。消滅してしまうんです。それ故に、朝一番に青空市場でお目当てのお野菜を大人買いし、太陽が燦々と降り注ぐ車の後部座席に放置したまま遊び歩くなんて、言語道断。買ったら真っ直ぐ帰宅して、お野菜は冷蔵庫に直行させましょう。勿論、常備菜と称して、冷蔵庫の肥やしにせず、とっとと消費。一回食べ切り量だけを買うのが、ベストな選択です。
     そして、葉酸料理の最大のポイントは、汁・スープ系に徹する事。水溶性で、ナント調理中に95%が水に溶け出してしまうって特性を、見事に逆手に取った料理方法なのです。

ビタミンB12(コバラミン)

生理作用

 ビタミンB12はコバルトを含むので、別名・赤いビタミンとも呼ばれています。他のビタミンに比べて陰が薄い存在ですが、補酵素として様々な反応に関与しているので、決して侮ってはいけません。蛋白質や核酸の合成を始め、中枢神経機能の維持、脂肪の代謝に於いて重要な役割を担っています。
     赤い色をしているからって訳ではないんですが、造血作用に関わっていて、前述の葉酸とがっちりタグを組み、幼弱な赤血球である巨赤芽球を立派な大人に育て上げ、世に送り出してくれる見上げたビタミン。
     更に、ボケ老人!?は、脳内ビタミンB12濃度が低い事が知られており、脳の正常機能の維持に重要な働きをしているのではないかとの噂もあります。

不足

 ビタミンB12は、微生物で合成されるので、植物性食品には殆ど含まれていません。それ故に、敬虔なベジタリアンであればあるほど、要注意。それ以外では、腸内細菌でも合成されるので、極端な偏食者でもない限り不足って事はないとはされていますが、このビタミンの小腸からの吸収には胃壁から分泌される内因子が必須。胃の全的手術を受けた人や、胃粘膜に問題ありって太鼓判を押された人は、内因子の不足故のビタミンB12欠乏症に悩まされるかも。

ビタミンB12を多く含む食品(1食当りの目安量)

     レバー、魚介類、チーズ、肉、卵etc.に多く含まれてま~す。
          [肉] 牛レバー(50g) 26.4μg
              鶏レバー(50g) 22.2μg
              豚レバー(50g) 12.6μg
          [魚介] 牡蠣小2個(70g) 19.7μg
               サンマ1尾(150g)(廃棄込み重量) 18.6μg
               アサリ(30g) 15.7μg
               シジミ(20g) 12.5μg
               イワシ丸干し1尾(40g) 11.7μg
               サバ1切れ(80g) 8.5μg
               帆立貝(70g) 8.0μg

吸収率をUPさせる達人の技

 ビタミンB12は、空気や光に晒されるとどんどん酸化が進むので、冷凍保存の際は空気をしっかり追い出して、ジップロックしましょ。誰ですか、スーパーで買ったまんまの肉や魚を、トレーごと冷凍庫に放り込んでいるのは!?
 熱を加えても大丈夫なので、水溶性って特性を利用し、シチューやスープ、○○汁で、汁ごと頂くのがお約束です。

補足

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 ビタミンB12は、微生物によって合成されるビタミンですから、植物性食品には殆ど含まれていないんです。それ故に、菜食主義者はど~してもビタミンB12不足になりがちで、アメリカには、国土に増殖し続けるベジタリアン対策として、食事のガイドラインまであるんだとか。因みに、ベジタリアンって風土がない日本人にはピンと来ないかも知れませんが、ベジタリアンにも格付けってもんがあり、夫々に喰っちゃいけないものが決められているんだそうです。一番厳格なヴィーガンは、卵も牛乳・乳製品も摂らない筋金入りの菜食主義者で、栄養学の大家が脳みそを捏ね繰り回して植物性食品を組み合わせようとも、絶対に欠乏します!! だから、サプリメントの併用は必須。‥草食動物でもない雑食動物である人間が、宗教だか、道徳だか、健康の為だか知らんが、トナカイやカンガルーもどきに、好き好んで草とばっか食うんだから、そりゃあ、当然、帳尻合わせが必要になるわな(笑)。でも、まあ、テロリストにサプリメント工場を爆破されたら、ど~すんだろうねぇ、全く。

 面白いので、興味本位になりますが、Wikipediaからベジタリアンの階級を抜粋ときます。

    • ヴィーガン(純粋菜食者 完全菜食主義者)

     乳製品、蜂蜜等も含む動物性の食品を一切摂らず、革製品等食用以外の動物の利用も避ける人々。

    • ダイエタリー・ヴィーガン

     植物性食品の食事をするが、食用以外の動物の利用を必ずしも避けようとしない。

    • ピュア・ベジタリアン

     西洋では主にヴィーガンと同義で使われるが、インド社会に於いては後述するラクト・ベジタリアンかつラクト・オボ・ベジタリアンでない(乳製品は摂るが卵を食べない)人々を言う。

    • オリエンタル・ベジタリアン

     菜食主義であるが、五葷(ごくん。にんにく、にら、らっきょう、ねぎ、或いは玉ねぎ、或いは浅葱)を摂らない。食用以外の動物の利用を必ずしも避けようとしない。

    • ラクト・ベジタリアン(乳菜食者)

     牛乳やバター、アイスクリーム等の乳製品も食べる人々。チーズは乳製品であるが、牛を屠殺して胃を取り出して消化液を集めたレンネット(凝乳酵素)を使用して作成されたものは食べない。

    • オボ・ベジタリアン(卵菜食者)

     卵も食べる人々。鳥や魚、甲殻類等種類を問わない。卵は無精卵に限り摂る人もいる。

    • ラクト・オボ・ベジタリアン(乳卵菜食)

     乳製品と卵も食べる人々。

    • フルータリアン(果食主義者、果物常食者)

     ベジタリアンの要素は満たしているものの、国際ベジタリアン連合が紛らわしい用語としているものにフルータリアンがある。ビーガン (VEGAN) との違いは、植物を殺さない食品のみを食べること。(リンゴの実を収穫してもリンゴの木は死なないが、ニンジンは死んでしまう。)収穫しても植物自体を殺さないという考えに基づいて食物を食べる人々。果物、トマト、ナッツ類等、木に実り植物自体の生命に関わらない部分を食べる。より厳格に熟して落ちた実しか食べない人々も居る。
     又、ベジタリアンじゃないけど、ベジタリアンもどき。これをスード・ベジタリアン、日本語で擬似ベジタリアン。

    • ノン・イートミーター

     肉を食べない非肉食者。魚、鶏、魚介類、動物性油脂、骨粉、皮膚を食べる。

    • セミ・ベジタリアン

     世間一般の人より少ない肉を食べるスード・ベジタリアン。

    • ベスクタリアン/べスコ・ビジタリアン

     フィッシュ・ベジタリアンも呼ばれる場合もあるスード・ベジタリアン。ベジタリアンとの違いは、魚を食べる人。またしばしば工場方式の農場による食品を避ける人を指す。


 ベジタリアンって一言で言っても、随分と種類がいるもんだぁ‥。

ビオチン(ビタミンH)

生理作用

 3大栄養素がエネルギーに変わる時に、夫々の代謝をサポートしてくれます。例えば、糖質の代謝では、ピルビン酸カルボキシラーゼの補酵素として働きます。蛋白質、然り。脂質、然り。お主は、偉い!
     更に、皮膚や髪の毛の健康を司る事から、”美人の素”として超有名と言うかぁ、そもそもが皮膚炎を予防する事から発見されたビタミン。皮膚炎を起こすヒスタミンの産生を抑制する事は、診察の際にもHISAKOに口煩く指摘されている患者さんも多いと思うので、周知の事実ってトコかな。それ故に、アトピー性皮膚炎や脂漏性皮膚炎、抜け毛や薄毛、白髪etc.の改善に効き目大なのであります。

不足

 腸内細菌でも合成される。つまり、大事な腸内細菌まで殺してしまう状況、例えば、ニキビ防止の為と称して、化膿止めのお薬を漫然と長期間飲んでたりすると、却って、ビオチンの吸収が阻害→肌荒れ→ニキビへと、笑えない負のサイクルに突入!

ビオチンを多く含む食品

 お魚、レバー、肉、卵、豆類、野菜etc.に多く含まれています!!

吸収率をUPさせる達人の技

 様々な食品に広く含まれている上に、食品中の蛋白質としっかりと結合した形で存在している為、分解され難く、並み居るビタミンB群の中でも断トツの安定性を誇っています。更に、熱を加えても損なわれない強い子なので、料理に達人も何もありません。手の掛からない子ですが、強いて言うなら、卵の白身ばっか生飲みしていると、卵白中のアビジンって名前の蛋白質が、ビオチンの吸収をブロック!

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パントテン酸(ビタミンB5)

生理作用

 CoAは3大栄養素である糖質・脂質・蛋白質の代謝に必須な酵素ですから、この構成要素の一員であるパントテン酸は、人間様の全てを構成する組織にとって、なくてはならぬビタミン♪ その働きぶりは、スタンドプレーに走らず、ビタミンB1と共に糖質の代謝を、B2と共に脂質の代謝をサポートすると言う、誠に協調性に優れたもので、正に秘書課の鑑。
     他にも、善玉コレステロール(HDL-Cho)を増やす。副腎皮質ホルモン(ステロイド)や神経伝達物質を合成する。ストレスに対する抵抗力を高めて、打たれ強い子にする。免疫力をUPさせて、風邪等に罹り難くする等々。

不足

 元々が、ヒナ鶏の抗皮膚炎因子として研究が進んだビタミンだけに、皮膚炎対策として欠かす事の出来ない存在ですかね。まあ、唯、今時の骸骨!?と見紛う位の激しい拒食系ギャルとかじゃないと、教科書に載るような、まあ、所謂病気としての欠乏症の症状、例えば、頭痛とか、疲労、手足の知覚異常なんかは出ないと思うけどぉ。

パントテン酸を多く含む食品(1食当りの目安量)

     レバー、肉、お魚、卵、納豆等に多く含まれます。
          [肉] 鶏レバー(50g) 5.05mg
              豚レバー(50g) 3.60mg
              牛レバー(50g) 3.20mg
              鶏モモ肉(皮なし)(70g) 1.44mg
          [魚介] 子持ちガレイ1切れ(100g) 2.41mg
               ニジマス1尾(100g) 2.36mg
               タラコ1/2腹(40g) 1.47mg
               鰻の蒲焼1串(100g) 1.29mg
          [その他] 納豆1/2パック(50g) 1.80mg
                 アボカド1/2個(70g) 1.16mg

吸収率をUPさせる達人の技

 パントテン酸の語源は、ギリシャ語の”何処にでもある酸”。言葉通り、ありとあらゆる食品に含まれる、極めてありふれた存在なんですが、缶詰・冷凍・精製等の加工過程で分解され、珍しい存在までに激減します。それ故に、達人を目指すのなら、加工度の低い食品を使っての料理がお約束。
     更に、一言加えるなら、このビタミン、pH7前後の中性領域では比較的安定しているんですが、水に溶け易い上に、熱にも弱いとくるので、素材重視のシンプルな調理方法がベストです。

水溶性ビタミン~ビタミンC(アスコルビン酸)

生理作用

 HISAKOが偏愛して止まないビタミンが、C。それ故、HISAKOの美容通信でも、手を変え品を変え、塗り薬(化粧品を含む)(美容通信2004年11月号)(美容通信2009年10月号)だの、メソセラピー(美容通信2006年6月号)だの、点滴(美容通信2008年11月号)だの、栄養療法(サプリメント)等々(美容通信2007年3月号)、何度も登場しています。勿論、ビタミンCの恩恵を最大限享受するには、Lypo-Spheric Vitamin Cの様な従来のビタミンC製剤を遥かに凌駕する製剤でもない限り、経口では限界もあります。でも、だからと言って、不足する様なご飯は論外。それに、ビタミンCの吸収・排泄は、遺伝子多型の影響を受けますからね。摂り過ぎて不具合が生じるって代物でもなし、せめて、パクパク食べておくんなまし(笑)。

 前置きが長くなってしまいましたが、ビタミンCの恩恵は多彩。代表的な効果は三つ。

    • 皮膚や腱、毛細血管、歯軟骨etc.を構成するコラーゲンの合成には、必須なビタミン

     それ故、美肌は勿論、怪我などの際の傷の修復()にも不可欠なんです。

  • 抗ストレス作用を持つ副腎皮質ホルモンの合成を促進したり、腸管での鉄の吸収率をUP
  • 強力な抗酸化力を持つ、フリーラジカル・スカベンジャーの一員として大活躍! 

abaren[1][1] 活性酸素連鎖反応を非常に効率的に抑制し、活性酸素の悪さを封じ込め、動脈硬化や脳卒中、心筋梗塞etc.の生活習慣病から貴女を強力にガードしてくれるんですね。特にビタミンCは、本質的に、気が短く、仕事熱心な上に人使いが荒いと三拍子揃った江戸っ子気質。それ故に、真っ先に家の消火器を抱えて火事場に走る、最も迅速な抗酸化因子。更に、本来なら戦う事すら出来ない脂容相でも、仲間の脂溶性のビタミンEを操って間接的に戦いますし、スタミナ切れでダウンしたビタミンEに水をぶっ掛け、再度戦いに赴かせるという、まるでラグビーのマネジャーも真っ青な行為も平気でします。又、アスコルビン酸・トランスポーターって、まあドラえモンのドアですね、これを開けて活性酸素の生成部位に乗り込んで行く果敢さも持ち合わせております。

 以前特集した高濃度のビタミンC点滴療法(美容通信2008年11月号)の中でも触れた通り、経口だけでは、癌予防としては多少なりとも期待は出来るかも知れませんが、血中濃度の面で抗癌作用を期待するのは難しいかも知れません。でも、最近、Xiaolong Meng先生が発表したユニークな考え方~”癌は創傷治癒機能を担う細胞である”は、実に、目から鱗モノでした。先月の初旬、米国カンザス州ウイチタ市で開催された<第1回ビタミンC点滴療法によるガン治療シンポジウム>でも、満場総立ち、拍手の嵐だったんだそうです。要約すると、「癌は創傷治癒(=傷を治す)の為に、体が自ら作った細胞だから、傷が早く治る様な環境が整えば、癌細胞は増殖する必要が無くなり、消える、若しくは例え残っていたとしても共存が十分可能である。だから、創傷治癒過程を無視して癌細胞を破壊する様な治療行為自体が、新たな傷を作り、癌の再燃を招く。従って、高濃度ビタミンC点滴療法の狙いは、癌細胞自体の撲滅ではなく、傷のない環境を整える事にある」って説。この説に従うと、従来の遺伝子発癌説では説明出来なかった幾つかの疑問が、す~っと解決しちゃうんですねぇ。うん、うん。‥って事は、癌になりたくなかったら、もしなっちゃったとしても長生きしたかったら、点滴療法と併せて、少しでも多くのビタミンCを喰えって結論に落ち着く!?

不足

 脱力や体重減少、鈍痛に加え、悪化すると、毛細血管が脆くなり、歯茎や皮下から出血する‥。壊血病は、大航海時代(16~18世紀)には、海賊以上に恐れられた原因不明の病気でしたが、現代では先ずお目に掛かる事はないかな。
 唯、寒冷ストレスや喫煙により、体内でのビタミンCの消費量は高まります。ヘビースモーカーは、非喫煙者の2倍量必要とも言われ、昔はタバコ屋のオバちゃんが、通称・「缶ピース」「缶ピー」と呼ばれたピース(50)を買うと、レモンを1個オマケでくれたっけ(←嘘!)。

ビタミンCを多く含む食品(1食当りの目安量)

     果物や野菜、イモ類、緑茶等に多く含まれています。
        [野菜] 菜の花1/2束(100g) 130mg
             赤ピーマン大1/2個(75g) 115mg
             なばな(洋種)1/2束(100g) 110mg
             芽キャベツ5個(40g) 64mg
             ブロッコリー1/2株(50g) 60mg
        [果物] 柿1個(200g) 127mg
             グァバ1個(80g) 123mg
             ネーブルオレンジ1個(200g) 78mg
             はっさく1個(250g) 65mg
             キウイフルーツ1個(100g) 59mg

吸収率をUPさせる達人の技

image909 兎に角、新鮮な旬の野菜を買って来たら、手早く、さっさと調理して、とっとと胃袋に納める。これが、達人の法則。
 同じお野菜でも、旬の時期の方が、ビタミンCがたっぷり含まれています。更に、同じ旬のお野菜と言えども、部位によってビタミンCの含有濃度が異なります。左の図を見て下さい。小学校の頃、学校のうさちゃんに貢いだ、お野菜の外側の硬い葉っぱとか、芯の部分にこそ、ビタミンCが大量に含まれていたんです。自分でビタミンCが合成出来る兎に沢山ビタミンCが含まれている部位をあげて、合成が出来ない人間様がどうして少ない部位を喰ってたのか‥。小学校の担任の先生、せめて一言言って欲しかった‥。
 ビタミンCは、水に溶け易いので、水に放した後も、とっとと水切りしないと、排水管を流れて下水道に一直線。熱にも弱いから、チキンラーメンと同じで3分間も茹でれば含有量は半分に激減! 
 特売日に大人買いなんてしたもんなら、時間と共に、美味しさと栄養分が手と手を取り合って、脱兎の如く逃げて行く。お尻が重い、つまり比較的壊れにくいとされるじゃが芋のビタミンCだって、1ヶ月の室温保存で15%減ですからね。

 纏め→調理損失が極めて高いので、1日必要量の3倍は摂らなきゃいけない

補足

 ビタミンCには、還元型のアスコルビン酸と、酸化型のデヒドロアスコルビン酸の2種類があります。人間様が食べた(=経口で摂取した)場合、五訂食品成分表では、両者に効力に差がないと記載はされています。しかしながら、ネズミさん(ラット)では、明らかに両者には効力に差が認められており、抗酸化力を失った酸化型デヒドロアスコルビン酸は効力が落ちる事が分っています。追加になりますが、癌に対して高濃度のビタミンCを点滴します(経口では、目標とする350~400mg/dlまで血中濃度が、どう足掻いても上がらない!)が、この時使用するのは、還元型のアスコルビン酸です。酸化型のデヒドロアスコルビン酸を使うと、却って逆効果。癌が元気に増殖し始めます。アメリカのスタローン・ケタリング記念癌センターのヒーニー博士が、昨年発表した論文によると、①培養癌細胞に酸化型のデヒドロアスコルビン酸18mMで一時間前処理をすると、抗癌剤(doxorubicin、cisplatin、vincrtistine、methotorexate、imatinib)の抗腫瘍細胞作用が減弱する。②癌細胞を移植したマウスに、酸化型のデヒドロアスコルビン酸250mg/Kgを28日間に8回静注すると、抗癌剤(doxorubicin)の効果が減弱するばかりか、腫瘍がより増殖する。‥ナ、ナント、恐ろしい! 
 一般的にビタミンCとしてサプリメントや癌治療に使われているのは、抗酸化力を期待出来る還元物質のアスコルビン酸の方です(酸化型は、言葉通り、既に酸化してしまっている‥)が、ビタミンCの中心的な役割である抗酸化力を思えば、他の効果は食べ物として喰ってる分には変わらないと言われようとも、なるべくならば還元型で食せる調理や保存方法を選びたくなるのが人情ってモノ。少なくても、HISAKOは還元型のビタミンC溢れる新鮮なお野菜が食べたい。因みに、植物が新鮮な時は、Cの90%以上が還元型なのです。
 ビタミンCは銅や鉄の調理用具で酸化されますから、肉じゃが作るんなら、鉄鍋は止めてル・クルーゼの様な鋳物ホーロー♪ HISAKOは、先日、カラフルな色に惹かれただけの単純な理由で衝動買いしたんですが、耐熱セラミック鍋は意外にヒット! 料理の腕が上がった気がするだけじゃなく、ビタミンCにも優しい!?
 追加すると、きゅうりやにんじんetc.には、アスコルビン酸-酸化酵素が多いんです。でも、大根と人参の究極のマリアージュである”もみじおろし”は、1時間位まではどんどんとビタミンCの酸化が進行はするんですが、分解は10%程度。この事実を、貴女はどう考えますか? そんなに!? それとも、そんなもんか!?

ビタミンもどき

 ビタミンと似た重要な働きをするんですが、まあ、そこそこの量を体内で合成出来るので、欠乏して困る!って深刻な事態までには至らない。それ故に、もどき、若しくはビタミン様物質と呼ばれています。まあ、生命維持の為と言うよりは、生活の質を上げるのが目的ですかね。

ユビキノン(コエンザイムQ)(ビタミンQ)

 ビタミンEと同等か、それ以上の強力な抗酸化作用がご自慢で、細胞膜の酸化を防いでくれます。12人兄弟ですが、10番目のQ10(コエンザイムQ10)は、心不全や虚血性心疾患を改善する効果が期待されています。
 レバー、牛肉、豚肉、カツオ、マグロetc.に多く含まれています。

コリン

 コリンは、細胞膜や神経組織を構成要員であるレシチンや、神経伝達物質のアセチルコリンの材料です。レシチンには、血管壁へのコレステロール沈着(動脈硬化)や、肝臓のフォアグラ化(脂肪肝)を防ぐ作用がありますし、アセチルコリンには、血管を拡張して血圧を下げる働きがあるので、高血圧の予防効果が期待出来ます。つまり、こりん星のりんごももか姫のお父様・お母様世代が気にする、メタボ対策に最適な物質。
 レバー、卵、大豆、ささげ、牛肉、豚肉etc.に多く含まれています。

ビタミンP

 シトリンやルチン、ヘスペリジン等のフラボノイド化合物。血管の透過性を正常に保つ働きに関与しています。更に、ルチンには、ビタミンCと徒党を組んで、毛細血管を強く矯め直し、脳卒中等の出血性の疾病予防に効きますし、血圧降下作用もあるので高血圧を指摘される中高年にとっては、是非摂ってもらいたい物質かな。
 蕎麦に多く含まれていますが、水溶性なので、出された蕎麦湯は全て飲み干しましょう。他には、蜜柑、レモン、オレンジ、杏etc.に多く含まれています。

イノシトール

 肝臓に脂肪が溜まるのを防いで脱・人間フォアグラ化を図ってくれたり、コレステロールの代謝を良くしたりと、脂質の運搬をスムーズにしてくれます。
 オレンジ、スイカ、メロン、グレープフルーツ、桃、小麦胚芽etc.に多く含まれています。

パラアミノ安息香酸(ビタミンBx)

 葉酸の合成に不可欠な物質。善玉腸内細菌も増やしてくれる、可愛い奴♪
 レバー、卵、牛乳、玄米、胚芽パンetc.に多く含まれています。

ビタミンU(キャべジン)

200911image529 広末がCMで”大人の日々は胃にくるね。”って連呼しているだけに、ビタミンUよりもキャべジンの方が通りは良いかも。キャベツから発見されたビタミンもどきです。胃酸の分泌を抑制し、胃腸粘膜の修復に作用する事から、胃・十二指腸潰瘍の予防・治療に有効です。
 キャベツ、レタス、セロリ、青海苔etc.に多く含まれます。

リポ酸

 ビタミンB1とタグを組んで、糖質の代謝に関与。抗酸化作用もあり、最前線で戦うビタミンCやEに欠員が生じた時には、補欠要員としてそこそこではあるが働く(笑)。
 レバー、酵母etc.に多く含まれます。

オロット酸(ビタミンB13)

 フォアグラ化防止には有効な手段の一つではありますが、だからと言って摂り過ぎると‥フォアグラになる‥。天邪鬼と言うより、中庸を地で行くタイプなんでしょうねぇ。
 根菜、小麦胚芽、ビール酵母etc.に多く含まれます。

カルニチン(ビタミンBt)

 脂肪酸の代謝を促進し、中性脂肪や脂肪酸を燃焼する働きがあり、メタボ対策の旗手となりうるか!?
 羊肉、牛肉etc.に多く含まれます。


*註:HISAKOの美容通信に記載されている料金(消費税率等を含む)・施術内容等は、あくまでも発行日時点のものです。従って、諸事情により、料金(消費税率等を含む)・施術内容等が変更になっている場合があります。予め、御確認下さい。


※治療の内容によっては、国内未承認医薬品または医療機器を用いて施術を行います。治療に用いる医薬品および機器は当院医師の判断の元、個人輸入手続きを行ったものです。

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来月号の予告

サプリメントで栄養補助も大事ですが、ベースの食事があってこそ。
<美女ごはん~脂溶性ビタミンとミネラル編>です。